――そして。 階下のロビーで、私は彼等の姿を見た。 先を歩く母の後ろを、まるで幼子がついていくような、そんな光景だった。 きっとアーシノは、ここには戻ってこないだろう。 予兆とも予感ともつかなかったが、私はそれを悟った。 しかし、それを誰が責めることができるだろう? 人は弱く、私もまた、弱かった。